【乗船記】名門大洋フェリー2便「フェリーきょうと」に乗る

往路のオーシャン東九フェリー記事はこっち

新門司港でのあれこれ

乗船予定の船が当日に変わる事もある

一通のメールに気付いたのは「フェリーどうご」下船後しばらくしてからだった。
当時、復路は東京九州フェリーで一気に関東に帰るつもりだった。
ドック期間中、期間限定で横須賀新門司航路に来ていた「すずらん」に乗りたかったのだ。

その「すずらん」がやはり低気圧の影響で遅れているらしく、新門司入港も横須賀到着も大幅に遅延するという内容のメールだった。具体的にいうと6時間45分の遅れである。
普段であれば全く気にせずそのまま乗っているのだが、今回ばかりは仕事との兼ね合いでどうしてもこの遅延が仕事に影響してしまう。
「もういっそ仕事を休んでしまうべきか…」と悩んでいたところに名門大洋フェリー2便の個室の空きがあると教えていただき、急遽乗船する船を変更する事になったのだ。

再び新門司港へ

門司港でお土産購入後、名門大洋フェリーの送迎バスに乗るために小倉駅へ向かう。

ふんふん。それほど人がいないようだ…安心…と思っていたところでハッとする。
いやちがう。これは東京九州フェリーのバス停だ。この乗り場じゃない。

とんでもない行列が出来ているあっちだ。

写真撮ってなかったので記憶を頼りに描いた

無意識に視界に入れないようにしていたが、やたらと列が出来ているバス停がひとつあった。
よくよく見ると名門大洋フェリーっぽい色合いの看板が置いてある。絶対あっちだ。

階段を下りて最後尾に並び、軽く絶望する。50人くらい並んでいるのではないだろうか。
徒歩乗船だけでこんなにたくさんの人間が乗る航路があると…いうのか……。

そうこうしていると大きなバスがやってきた。
「ターミナルまで肩身の狭い思いをしながら乗ることになるのだろうなぁ……」と項垂れる。
カウンターを手に持った係員さんの案内でテンポ良く人々がバス車内に吸い込まれていくのだが、そんな中、名門大洋フェリーが描かれたバスがもう一台やってきた。見るからに名門大洋の送迎バスの二台目だ。

これはもしかして…

なんと運良くガラガラの二台目に乗る事が出来た。これはラッキーだ。

どうやら一台目のバスは途中の門司駅には立ち寄らずにそのままターミナルに直行、
わたしが乗っている二台目のバスは門司駅を経由してからターミナルに行くので少し到着が遅くなるとの事だった。
すごい。人の多い状況というものに慣れきっている。

心配していた送迎バスの混雑も回避し、のんびりと窓の外を眺めながら門司駅を経由しつつ新門司港へ向かうのだった。

いざ乗船

新門司港へ

そんなわけで朝来た新門司港へ再び戻ってきた。

模型や写真が色々置いてあり、眺めているだけで結構たのしい

乗船券は既に発行済だったのでバスを降りてそのまま乗船口へ向かう。

これの2便に乗る
壁がかわいい

至る所にカモメのキャラクターがいる。
男の子が「フェリーニ」、女の子が「ノリーナ」というらしい。フェリーニ、ノリーナ。
単体だと結構名前を忘れてしまうのだが、セットだと覚えやすいなと記事を書きながら思った。

船内へ

さて、名門大洋フェリーを利用するのは相当久しぶりではないだろうか。
乗ろう乗ろうと思いながらなかなか乗れなかった船のひとつだ。

間近に船体が見えるときのこれは「フェリー乗る前はこれがわくわくするよね選手権」のトップだと思ってる
既に結構賑わっているのがわかった


普段は1便に乗る事が多い。フェリーきょうとは恐らく初めての乗船ではないだろうか。
おせわになります。よしざわです。よろしくおねがいします。船内めちゃめちゃ賑わってますね。

客室紹介「スーペリア(個室)」

今回の秘密基地はスーペリアの個室。

パジャマとロゴ入りタオルが置いてある

率直にめちゃめちゃ良かった。
窓の下に小さな棚兼テーブル的なものが置かれているのだが、私はここに丸椅子を持ってきて海を眺めながら絵を描いていた。

窓のサイズ感は「これだけあれば十分満足!」と言えるような大きさだ。
モニターが付いていて、航路図なんかも見れる。嬉しい。

写真は深夜にベッドで寝転がりながら撮ったもの

洗面台・トイレ・シャワー付き

瀬戸内海航路のような乗客の多い船において、個室の中にこれらが揃っているのは非常にありがたい。
シャワーブースにはビジネスホテルによくある壁付けのボディソープ・シャンプー・コンディショナーが備え付けられていた。
シャンプーとコンディショナーが別々に用意されているだけで非常に有難いのだが、それとは別でしっかりと使い切り用のシャンプー・コンディショナーも用意されている。

アメニティ

・コットンセット
・スキンケアセット

・シャンプー
・コンディショナー

これが2セット。

スキンケアセットは意外と持っていくのが億劫だったり、持っていこうと思っていても使い切りタイプが家に丁度ない……なんて事もあるので、こうしてフェリー個室内に用意されているのはめちゃめちゃ有難い。

ベッドまわり

コンセントがひとつに読書灯、小さな網棚が付いている。

網棚に版権物のぬいぐるみを寝かせていたので、唐突ながら代わりに柏餅をおいておきます

これがひとつひとつ地味に便利。
網棚には眼鏡やスマホを置いておけるし、読書灯もつけやすいので何も見えずに「メガネメガネ…」とならずに済む。

ベッド幅は少し狭く感じるかもしれないが、寝返りくらいは全然うてる。
掛け布団、柔らかくて寝心地が良かった…。

机まわり

(ここに写真を入れるつもりだった)

乗船直後の綺麗な状態を撮っているとばかり思っていたら撮っていなくてそこそこ落ち込んでいる。
とても使いやすい机で大体ここで過ごしていた。
コンセントもあるし、湯沸かしポットやお茶のセットも用意されている。
丸椅子が持ち運びやすいので、前述したように窓下の机のところにこれを持ってくる事も出来る。

レストランも紹介したい

続いてレストランやバイキングを紹介したい。

写真は深夜撮影

名門大洋フェリーのバイキングは入口でお会計をしてから席につくタイプだ。

国旗席札。色んな国が用意されている


ラミネートされた「座席使用中」の席札を持って席を探す。やはり窓側のカウンター席やテーブル席は人気だ。
座席数自体は多いが、その分乗っている人数も多いので常に賑わっているような印象を持った。

名門大洋フェリーのバイキングで必ず食べているのがうどん。
これが非常に好みの味で、おなかが膨れていたのにおかわりしてしまった…だってとてもおいしい…。

バイキングへたくそ民を自負しているので写真を載せるのは憚られるが…

メニュー豊富で、デザートも色々用意されている。
わたしが乗船した時は春だったので、桜餅が並んだりもしていた。

デザートと食後のコーヒーもしっかり堪能して一時間ほど滞在してしまった。

今回人が多そうだったので早々に食事を済ませたが、出港を見てからレストランへ行っても良かったかもしれない。一時間経つ頃には空席もまあまあ出始めていた。

使い終わった座札は戻す

おなかいっぱいになりながら、今度は売店へ赴く。

売店へ|御船印も紹介したい

売店は常に賑わっていた。
名門大洋フェリーグッズや地域の菓子土産からカップ麺、飲み物と色々揃っている。

そんな中、航海日誌なるものを発見した。
「これはちょっと良いなぁ」としばらくページをめくっていたが、悩みに悩んで棚に戻す。

わたしがもう少し飽きっぽくなくて、もう少し継続力もあって、色んなところに感想などを書き散らすような人間でなければ買っていたなぁ…。


カップラーメンの棚に大好きなスガキヤラーメンを発見したので、御船印と共に購入。
朝食はスガキヤにしよう。

御船印と御船印キーホルダー。
初めて買った御船印が名門大洋フェリーの「フェリーおおさかⅡ」だったので、何だか感慨深い。
デザインが変わり、箔押しの豪華なデザインに変わっている。ずっと欲しかったものがようやく手に入った。

早めの就寝

個室やレストランの紹介でつらつらと文章をつづってしまったが、瀬戸内海航路はとにかく見どころが多い。
そして見どころが多いがゆえにあっという間に下船の時間にもなってしまう。
いつも通り早寝早起きで楽しむために22時過ぎに就寝した。2便は翌朝の到着も少し遅めなので、いつもよりちょっとだけ夜更かしをする余裕がある。

瀬戸内海航路はやはり良い

瀬戸内海航路乗船時の朝は早い

午前3時過ぎ。
映したままにしていた航路図画面が別にものに切り替わる眩しさで目を覚ました。

橋の情報がポップするのはさすが瀬戸内海航路だなぁ

どうやら瀬戸大橋に近づいているらしい。
名門大洋フェリーの大阪~新門司航路では航路の途中で三つの橋をくぐる。明石海峡大橋、瀬戸大橋、来島海峡大橋の三つだ。
陸と陸の間を通っていく瀬戸内海航路ならではだよなぁと毎度の事ながらしみじみする。

せっかく起きたので久しぶりに橋をくぐるところをデッキから眺めてみよう。

少々肌寒いが、耐えられる気温だ。
この日は月もよく見えて綺麗だった。

さて橋は見えるだろうかと前方に目を遣る。

夜に見る大きな橋、良い。

おお、良い感じに見えてきている。
いくら人の多い関西~新門司航路といえど、さすがにこの時間帯はデッキに出てくる人も少ない。
私の他にデッキに出ていたのは夜更かししていたのであろう男性グループだけだった。
お互いにそれぞれ干渉しないよう私は左舷側、男性グループは右舷側のデッキで橋を眺める。

水面に映る光がめちゃめちゃ綺麗だ……。
ブログ記事や絵の資料用に写真や動画にも収めたいけど、そんなもの気にせずに目にも焼き付けたい。
こういう時、何度自分が複数人もしくは目と手が複数個欲しいと毎度思う。

くぐった。たのしい。

デッキに人が溢れがちなので明石海峡大橋をくぐるときはあまりデッキに出ないのだが、今回は出てみようかなと思ったりするほどには心が動いた。

橋が小さくなっていくまで眺めてから船内に戻る。
やはりまだちょっと肌寒い。

船内探検もしたぞ

エントランス

せっかく起きたのでこのまま船内を散歩する事にした。
まだちらほらとパブリックスペースで過ごす乗船客が居たので邪魔にならないよう控えめに。

ちょっと和風な造りのフェリーきょうと。
吹き抜けのエントランスもちょっぴり和風だ。

ハニカムな形のソファ。色合いが抹茶大福みたいでかわいい。
奥に自販機コーナーがあって、飲料の他にもカップ麺やアイスが販売されていた。

案内所・売店

売店の隣に案内所。

ちょっとななめになっちゃった

各施設営業時間の案内と共に橋をくぐる時間も記載されているのはやはり瀬戸内海航路ならではだなぁと、ここでもしみじみしてしまった。

パブリックスペース

6階左舷側のパブリックスペース。

このカウンター席が結構好きだったりする
テーブル席もある

7階右舷側。ここからデッキにもつながっている。

デッキに繋がる
レストラン

レストラン営業時間外も一部の席がパブリックスペースとして開放されている。

記念スタンプ

乗船記念のスタンプは普段旅に持ち歩ているスケッチブックに。
押す場所に決まりはなくて、その時の気分で表紙だったり裏表紙だったり表2表3だったりに押している。

以前は備え付けの用紙を頂いて押したりスタンプ帳に押したり手帳に押したりと色々していたのだが、自分はどうしても帰ってから荷解きをサボりがちなので、こうして普段から旅に連れて行く、なおかつ普段よく使う物に押すのが何だかんだで一番ちゃんと思い出として残ってくれるのだ。
台紙に押したまま行方不明になった記念スタンプたちが自宅に数えきれないほど存在している。

一通り散歩を済ませ、部屋に戻った。

明石海峡大橋をくぐる

翌朝。
海を眺めながら絵を描いていると、航路図に再びポップアップが。

いよいよ来てしまったか…明石海峡大橋…。
上り便の明石海峡大橋は自分にとって「旅の終わり」を意味する。
往路で乗ったオーシャン東九フェリー下り便の東京ゲートブリッジと丁度真逆の存在だ。

最近は何だか私もひねくれてしまって「明石海峡大橋なんてもうくぐり飽きたよ」とロクに見る事なく過ごす…なんてのもしょっちゅうだったが、今回はウキウキとデッキに向かった。

デッキには既に人がいっぱい居る…が、みんな橋がよく見える右舷側に集中していて左舷側には全然人がいない。このまま橋をくぐる瞬間を待つ事にした。

深夜の橋も良かったが、明るい時間のこれも非常に良い。
夢中で写真を撮ったり動画を撮ったりしてしまった。

あっという間に小さくなっていく。
これが終わるといよいよ乗船中の楽しさよりも船旅が終わってしまう寂しさの方が勝り始めてくる。

そしてクライマックスへ……

さあ、いよいよ終わりが近づいてくる。
フェリーウォッチングのはじまりだ。

まずは商船三井さんふらわあのフェリー二隻。
手前(写真左)がさんふらわあ きりしま(志布志航路)、奥(写真右)がさんふらわあ むらさき(別府航路)。
今日も仲良く向かい合って停泊していて可愛い。

そのままググーっと右に曲がって大阪南港へ。
まずはオレンジフェリーのおれんじ えひめが見えてきた。

先に到着していた名門大洋フェリー1便のフェリーきたきゅうしゅうも居る。
大阪のフェリーが揃い踏みだ。楽しい、楽しい。

一瞬話が逸れます。
一瞬オレンジフェリーの話をします。

これはSNSで何度か言っているのだが、私はオレンジフェリーの見た目が狂おしいほど好きだ。
専門的な事は何にもわからないので勝手にビジュアルについての語りになってしまうが、曲線がなめらかで、船尾は丸くころんとしていて可愛い。なのに船首はきりっとしている。
窓の量も少なすぎず多すぎず、小さすぎず大きすぎず均等に並んでいて、とても美しい船だと思っている。
配色も大変好みで、白の割合が多い中で朱色や青や緑のカラーが際立つ。
関西~四国航路のオレンジフェリーだけでなく、九四航路の船の見た目も大好きなのだ。
語り始めたら乗りたくなってしまった…。今年はおれんじホープに乗るのが夢でもある。

ああ、こんな間近で停泊中の船をじっくり合法的に見れるなんて…名門大洋フェリーの2便の良さを知ってしまった…。
ありがとうフェリーきょうと…2便の良さを教えてくれて…瀬戸内海航路の楽しさを思い出させてくれて…。
とても楽しい船旅だった……。…………もうちょっと乗せてくれ…。

悲しみの下船

してしまった……大阪に……到着……。
快適に過ごした部屋に別れを告げる。

エントランスに出ると、「そんなに乗ってたんですか!?」と後ずさりしてしまうほどに人が溢れていた。
ジャージを着た学生さんたち、ツアーっぽい団体の皆様。
数えきれないほどのグループ客に一人客に、家族にカップルに、ああ、目が溺れそうだ。

フェリーきょうとは定員675人らしい。
実際に多くの人が乗船しているのが可視化されると、改めて「こんなにいっぱい人が乗れるんだ」と圧倒された。

あれよあれよと下船。
穏やかな瀬戸内海航路、最高でした。あっという間の乗船でしたが、本当に楽しかったです。
また乗りに来ます。次の日の仕事にも間に合いそうです。

こうして往路オーシャン東九フェリー、復路名門大洋フェリーの2026年誕生日乗船が終わりました。
長くなってしまいましたが、お付き合いいただきありがとうございました。

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