寝台特急とフェリーで行く東京⇄四国の一人旅②【サンライズ瀬戸・車内探検】

国内旅行

出発は日曜日の夜

サンライズエクスプレスが東京を発車するのが22時ちょうど。
それに合わせて21時過ぎに東京駅に到着しました。

駅のコンビニで軽めのサンドイッチと大好きなカフェオレ、それに念のための水を購入して、東海道線の9番線ホームへ向かいます。

ホームへ行くと、まばらではありますが既にサンライズを待っているのであろう方々がちらほら。
おそらく車体を撮影しに来ているのかな?という方もいらっしゃいました。

ほどなくしてサンライズ出雲・瀬戸がやってきました。

長い、長いです。
普段から二階建ての電車とか見るとめっちゃテンション上がってしまうんですが、今からこの子に乗って四国まで行ってしまうのだと思うと、(嬉しさで)倒れ込みそうでした。
サンライズは車内の照明の色や、車体の色合いもあいまってとてもレトロな雰囲気がありますね。とてもワクワクします。

さて、出発10分前くらいにならないと入れないのかと思いきや、到着してすぐ入り口が開きました。
一秒でも早く乗り物に突入したい私、内心大歓喜。
早速入ってみましょう…!!!!

わしの城じゃあああああああ!!!!!!!!

シングルデラックスは思った以上にすごい

パノラマで撮ってみました。ちょっとわかりにくいかもですが…!

これ、電車ですよ!?電車の中ですよ…!?
しっかりと照明や洗面所まで付いちゃって…!!ホテルじゃん!!部屋じゃん!!!秘密基地じゃん!!!

大きな窓に、しっかりとしたベッド、枕、浴衣、アメニティ……!!

わ、わしの城なんじゃあああああああ!!!!!!(二度目)

実は私、デラックスシングルにやたらとこだわってたのは、このアメニティ目当て…というのもありました。

サンライズの巾着袋の色合いがとてもサンライズ感あります!かわいいですね…!

(乱雑に広げてしまいましたが)色々入ってます!
私、いつも勿体なくてこういうの使えないまま残しちゃうんですよね…

さてさて、お目当てのもの入ってました。
JRのロゴ入り石鹸ケース、そしてサンライズエクスプレスのイラストが入ったシャワーカード!です!これがどうしても欲しかった!

三種の神器といっても過言ではない

しかもこのシャワーカード、シングルデラックスを取った者だけに渡される、A個室車両専用のシャワーが使えるカード!なんです!

ほぼ誰ともバッティングせずに入れるシャワー券みたいなもんですね。
車内にシャワーカードが販売されてるんですが、比較的すぐ売り切れちゃうので、それが既に手に入った状態という心理的安心感も強い。強くてニューゲームですよこれは。

興奮していると、車掌さんが部屋にやってきて寝台券の確認をしてくださいました。
あとは発車までのんびり過ごしま………

………

外にいる人とめちゃめちゃ目が合いまくる&写真撮ってる方のフレームにインしてしまいそうなので、床に座って待ちましょう…


そしていよいよ22時、定刻通りサンライズ出雲号・瀬戸号は出発しました!
試験的に動画的なものを入れてみます。

0:45を超えた辺りでアナウンスが始まります。ちょっとだけ音が大きくてびっくりするかもなのでご注意ください。

わあああ…!出発しちゃたよ、どうしようどうしよう…!

しかし、な、なんか結構…揺れるぞ、これ……

私は乗り物が好きです。しかし悲しい事に非常に乗り物酔いをしやすい体質だったりもします…。
一応酔い止めは多めに持ってきてはいるのですが、何せそれを飲むと数時間後には耐え切れないほどの眠気が来てしまう…せっかくのサンライズを楽しみたい……ひとまずは気付かなかったふりをして、非日常空間を楽しむ事にしました。

家から甘酒を一缶持ってきたのですが、完全に正解です。
このノスタルジックな列車と甘酒が非常にマッチしている…!!

旅……してるなぁぁあ……(しみじみ)

いざ車内探検

さてさて、それでは少し車内を探検しましょう。
出発してすぐは廊下から人の気配がしておりましたが、そろそろ落ち着いてきたようです。
どうせ写真撮るならゆっくり撮りたいですもんね…!

因みにお部屋を出るときは外からも鍵を掛ける事が出来ます。
好きな数字4桁を設定すると、その後はその数字を使って鍵を掛けたり開けたりが可能。すごいですね。
(もう何を見ても「すごい」しか言わなくなるほど興奮している)

さて、ご覧の通り通路は狭いです。
人とすれ違う度に「すみません…」と言いながら通る感じです。
ちなみに私、この時テンション最高に上がりすぎて、すれ違う全ての人に対して『サンライズ最高ですね!!』と心の中で声を掛けてました。

ラウンジ

車内には景色を眺めながらくつろげる共有スペースがあります。
自分の席(個室)でのんびりするのも良いけど、ラウンジで大きな窓の景色を眺めるのもまた良いですよね…!特に夜が明ける瞬間をここで一人過ごせたら最高だろうなぁって思います。

このラウンジ車両には飲み物を販売している自動販売機と、シャワーカードの発券機がそれぞれあります。
飲み物の価格は「ほんんんんのちょっと(10円程度)高いかも?」くらいなので、私は炭酸飲みたい気分の時なんかにとてもお世話になりました。
あと、酔ってしまったときに飲む水にとても救われたので、お水売ってるのはとても助かりました。
ワゴンの車内販売などはないので、必要なものは乗り込む前に買い込みましょう…!

シャワーカードは330円で一枚購入することができます。

これを持っていって空いてるタイミングにシャワーを使う感じです。
浜松を過ぎた売り切れていたのを確認したので、乗り込んだらすぐに一枚確保しておく事をお勧めします。

ラウンジの隣の車両にお手洗いと洗面所(カーテン付き)がありました。
ハンドソープも備えてあるのがありがたかったです。その付近にゴミ入れもしっかり完備。
いくらでもおやつ持ち込んで食べられますよ…!

シャワールーム

シャワールームには二種類あります。
先ほどちらっと触れた通り、乗車している全員が使える共用のシャワールーム(使う人が多い分、空いてるタイミングを見つけるのが大変かな?)、それからシングルデラックスを予約している人だけが使えるA寝台個室専用シャワールームです。

正直私はアメニティと、この専用シャワールームのためにシングルデラックスを予約したといっても過言ではありません。
自分が使いたいタイミングでシャワーを使いたい、待つのが面倒くさい…というのが一番の理由。
一人旅好きな人は究極的にマイペースな面があるというか、自分のペースを崩されるのが非常に苦手……という方が一定数以上いらっしゃる気がするのですが、どうでしょう…??

シャワールームに入ったら鍵を閉めて、カードを挿入します。
そうすると6分間、好きなタイミングにお湯を出したり止めたりしながらシャワーを使う事が出来ます。もちろんシャワーを止めてる間はカウントも止まります……が、一点だけ注意。

このシャワーカード、使い終わったあとに機械から返却されるのですが、再度使う事はできません

例えば、夜にシャワーを3分浴びて、そのあと早朝に同じカードを使って3分朝シャワーをしようとしても出来ないのです。
シャワーの利用一回につきシャワーカード一枚です。もったいぶらずに使い切りましょう。

シャワールーム内にはボディソープとリンスインシャンプーが備え付けられております。
ゴミ箱もあるので、使い切りの試供品を持っていくのも◎
揺れる列車の中で浴びるシャワーはまさに非日常です。

ドライヤー完備。
こちらは6分の制限などはないので、風邪を引かないようにしっかり髪を乾かしましょう。
ただ、結構風が弱いので髪の長い方は根気よく乾かす事になります。それでもドライヤーがあるのはとてもありがたいですよね。

また、バスタオルやフェイスタオルは持参する必要があります。
……が、シングルデラックスには薄いながらも手ぬぐいタオルがアメニティに付いております。
つよいぞ、シングルデラックス。

その他

その他、車内で撮影した写真をペタペタしておきます。
温かい色の照明を使用しているので、とても居心地が良いですよ。
夜中になればほぼ人も通ってこなくなるので、ちょっと借り切り気分になっちゃったりもします。

車窓がエモい

さて、わが城の領土に戻ります。
やはり自分に与えられたスペースってのは落ち着きます…。

時刻は2時をとっくに過ぎていました。

時折高速道路が見えたり、パーキングエリアのようなものがちらっと見えたり、工場や橋、海も見えます。マップを見たら丁度海沿い近くを走っているようでした。

通り過ぎる駅は大きなものも、小さなものも、稀に駅員さんがひとりふたり立ってらっしゃる以外は本当に静かで誰もいない。その近くで電気の消えた電車や新幹線が眠っているように停まっていました。
寝台特急に乗っている醍醐味のようなものを感じます。

「少しくらい寝なければ」と横になってはみるものの、なかなか眠れません。
度々「あ、工場」「なんか建物多いな。名古屋駅だな」「あ、海近そう」「あ、新幹線」などと起き上がっては眺めてしまう。

結局15分寝ては起きて、また15分寝ては起きて……というのをずっと繰り返していた気がします。
酔ってしまってるけど、それでもずっと乗っていたい、どこまでもどこまでも遠くへ連れてってほしい。そんな気持ちでした。

岡山着、駅弁ゲットまでの4分間

起床は4時半頃でした。

結局ほぼ寝ていない……

「もしかしたら一生のうちのたった一回の経験になるかもしれない…」と思うと寝ていられませんで…。

だんだん真っ暗な窓の外がネイビーブルーに変わって、朝が近づいているのを感じました。
ぼーっと外を眺めていると、まだ太陽は見えないのにどんどん明るくなって外の様子が見えてきます。

さて、私はぼちぼち着替えて下車の準備を始めます。

これから向かう岡山駅のホームで駅弁を手に入れて、それを食べながら瀬戸大橋や、そこから見える海をゆっくりのんびり眺めるためです。サンライズ瀬戸だからこそのメインイベントと言っても過言ではありません。

定刻通り、6:27に岡山駅に到着しました。
ここでとうとう出雲と瀬戸の切り離し作業をするため、通常よりも長めに停車します。
その時間、出雲は7分間瀬戸は4分間です。

4分間で事を済ませなければなりません。

過去には事前に駅弁の予約が出来て、時間になったらそのまま取りに行ける…なんて便利な事をしていらしたそうなのですが、調べたところ2020年9月15日をもってサンライズの駅弁お届けサービスは終了したようです
私も予約をしようとしてこのお知らせを見つけたので、岡山でお弁当を買おうと思っている方は要注意です。リフレッシュがてら直接売店に足を運びましょう。

そんな訳で、ハラハラしながら列車を降りて売店へ。
既に通勤ラッシュが始まっているようで、駅のホームには人がたくさんでした。

自分が乗っていた4号車のすぐ近くに売店があったので助かりました…!
ちょっと悩んで、季節のご飯とにぎわい弁当(税込1,000円)なるものを購入。
Suicaでささっとタッチして、無事乗り遅れる事なく列車に帰ってこれました。

岡山で買い物をしようとして置き去りになる方、意外といらっしゃるようです

サンライズ瀬戸に乗車している方は残念ながら切り離し作業をゆっくり見ている時間はないので、いつか出雲に乗った時に見てみたいものです。

切り離し作業見れなかったので写真AC様に画像お借りしました。

瀬戸大橋はすごかった

着替えも化粧も終わって荷物もまとめ終わっているので、のんびり景色を楽しみながらお弁当を食べましょう。

開封!

朝に食べる量としてはちょっと多いですが、どの具材も美味しい!

サンライズ瀬戸はいよいよ四国に向かって瀬戸大橋を渡っていきます。

一言でいうと「すごい」
二言でいうと「めっちゃすごい」

少し雨がポタついてはいましたが、景色はよく見えました。
無骨な工場や、貨物船も見えましたし、造船場も見えました。高速道路の看板も見えました。
見事に私の好きなものしか見えません。すごい。最高だ。

20分くらいずっと録画してた中での瀬戸大橋部分だけ切り取ってみました。

たまにカメラのパシャ音と私がもぞもぞ駅弁食ってる音が聞こえます。すみません…

車窓から一面に広がる海なんてなかなか見れる機会がないので、大感激です。
(このあと瀬戸大橋にパーキングエリアがあるというのを知って、いつか車で行きたいという野心に駆られました。今現在も駆られたままです)

瀬戸大橋の終わりと同時に『とうとう四国に来てしまったのだ』という喜びと、もうすぐこの列車から降りなければいけないという寂しさのようなものを同時に感じざるをえませんでした。

いやでござる降りたくないでござる 無理でござる 拙者はずっとここに居たいでござる いや無理 ほんと無理 さっきまで東京駅だったじゃねーか なんでや

乗り物の目的地到着前の私は毎度の事ながらこんな感じになってしまうのですが、乗り物好きさんにはきっとわかっていただけるはず…。拙者降りたくないでござる。

私が高松に上陸した。台風が海に誕生した。

……などと言いつつ、やはり降りないわけにはいかないので後ろ髪を引かれながら泣く泣く列車を降ります。降りないと徳島から東九フェリーに乗れないしな…。

ありがとうサンライズ、さようならサンライズ。
次は酔い止め飲んで乗りに行くよ……それから広角レンズも持ってくよ……

離れるのが本当に惜しくて、しばらくホームで写真を撮り続けていました。
サンライズは写真を撮られる方が多いおかげで私もその場に居やすかったです。
写真撮ってるのが私一人だとどうしてもちょっと恥ずかしくてですね…。


気を取り直して、初めまして高松駅!
早くもうどん推してきてるな…!

平日の朝なのでサラリーマンが多かったです。謎の罪悪感に駆られる私。

改札を出たら、まずは高松駅の切符を買います。
これは私が出かけた時の恒例行事でして、購入した駅名と日にちや時刻がしっかり入っているので、毎回どこへ行っても記念に買うようにしています。

まだ早い時間なので、作戦会議を立てるために予め調べていたカフェへ向かいます。

ふとiPhoneの通知を見ると、こんな通知がありました。

「台風14号(チャンホン)発生 西日本や沖縄に接近の可能性」

 ……は?

 は?え? ……はい???
(なんかちゃんぽんみたいで美味そうな名前してんな…) 

次回へ続きます。

サンライズまとめ&個人的に感じた注意点

友人知人に一言でサンライズを紹介するなら
「(非日常を味わうためにも)頻繁に乗るもんではないけど、一度乗ってみる事を心から勧めたい。」と話すと思います。

普段乗るフェリーや深夜バス、特急列車とは全然違った良さ・情緒があります。
気分転換に好きに歩き回れるのも良いし、朝焼けが見れるのも良いですね。
ただ、ちょこちょこお話ししている通り、そこそこ揺れるため、乗り物酔いし易い方は少し注意です。
私の感覚で、という話になってしまいますが、空調があるとはいえやはりちょっとした閉塞感のようなものはありました。
広いシングルデラックスでもそれを感じたので、他の個室でも同じかなと思います。

多分私のように乗り物酔いし易いけど乗り物を楽しみたいタイプの人間は初手ですぐ寝てしまった方がいいかもしれない。そんで夜明け前に起きるのがベストだと思う。
窓を開ける事が出来ないので、一度酔うとちょっとつらいです。停車駅に着いた時に開くドアから外の空気を吸う等はした方がいいかも。
ノートPCで作業とかiPadでお絵描きとか読書とか、そういうのはやめといた方がいい(やろうとした人間)


充実したアメニティや専用のシャワールームの魅力はやはり格別なので、次回乗る機会があればシングルデラックスを使いたいと心から思います。
ただ、それ以外の個室も絶妙な狭さが秘密基地のような、ドラえもんの押し入れ寝床のような特別感がありそうで、それはそれで惹かれるんだよなぁ…。

お金に余裕ができたときはまた是非乗りたいと思いました。
やはり個室のある乗り物は最高です!!


寝台特急とフェリーで行く四国旅シリーズまとめ